交通政策特別委員会 行政視察
1月11日(木)〜1月12日(金)の1泊2日の日程で『愛媛県今治市』に
交通政策特別委員会として行政視察に行ってきました。
調査事項は『公共交通政策について』
①地域乗合タクシー
②AIオンデマンドタクシー(チョイソコおおみしま、mobi)
{今治市}
・人口*149,958人 *木更津市は136,545人
・一般会計予算*752億に5,000万円 *木更津市は、532億9,700万円
・財政力指数*0,51 *木更津市は、0,85 (どちらもR4年度)
『今治タオル』で有名な今治市は、宝島社『田舎暮らしの本』2月号2023年版
第11回「住みたい田舎」ベストランキングにおいて、
総合部門・若者世代、単身者部門・子育て世代部門・シニア世代部門の全4部門で1位!
自然に満ち溢れた環境が魅力的で、移住者がかなり増えているそうです。
{乗合タクシーについて}
今治市では、自家用自動車への依存の高まりや人口減少等による公共交通の利用者数減少や、
運転手不足、路線バスの赤字経営により、維持継続が困難になっており、
そのような背景や地域からの要望もあり、「代替交通」が検討されたそうです。
バス路線廃止地域(朝倉地区・吉海地区)の方々とワークショップを開催し、代替交通を『乗合タクシー』に決め、
運行方法もワークショップで決めたとのこと。
ただし、実利用者数は月に6〜10人程度と低調。
そのため(玉川地区)に関しては、地域の方々に対して移動動向をアンケート調査し、
既存の(朝倉・吉海)の乗合タクシーの運行方法を改善して導入したとのことでした。
その他の地域では利用者数にばらつきがあるが、利用者も多い地域もあり、地域の方々からは
・タクシーより安価なので使いやすい
・毎日運行してほしい
・1日の運行ダイヤを増やして欲しい
・高齢者なので乗降場所までの移動が困難
・既存のバスと乗り継ぎがしやすいように接続してほしい
などの声があるそうです。
今後の課題については、
・運行便数や乗降場所の追加等によるサービスの拡充
・接続可能な交通体系として、既存の交通ネットワークとの連携
・高齢者の免許証返納等に対応するため、他地域での乗合タクシーの展開
が、主な課題としてあるそうです。
{mobiについて}
今治市の中心市街地で運行している『mobi』は8時〜21時まで利用でき、
最大で8人乗ることができる車両で3台が稼働しています。
乗車料金は300円で、月5000円の乗り放題コースもあり、
現在は乗り放題コースが利用者の中の58%占めているとのことでした。
月の利用者数は約2400人ほどで、イメージでは大半が高齢の方だと思っていたけれど、
実際は20代から50代が1番多く利用されているとのことで驚きました。
実際僕は今治市の隣町である「松山市」に約5年住んでいたので、
愛媛県がどれほど車社会なのかを分かっていたので、若い方々が利用するイメージは全くわかなかった。
でも実際は高齢者だけでなく、若い世代の方々が買い物や、外食に利用しているとのこと。
利用者数も多いけれど、採算が合わず今後は運賃の値上げも視野に入れているとおっしゃっていました。
このmobiは、Community Mobility株式会社が運行しており、
今治市としては補助金などの支援はしておらず、どのくらいの赤字になっているか把握していないとのことで
今後の市としてどのように関わっていくのか凄く気になるところでした。
視察2日目には実際に『mobi』を利用してきました。
アプリをダウンロードしてみると、スマホで今mobiがどの辺にいるかが一目瞭然で、
到着時間の目安も分かるので非常に使いやすいなと感じました。
待ち時間も10分程度で、日頃から利用するにしても大変便利だと感心しました。
この[mobi]を利用して、サッカーJ3のFC今治の里山スタジアムを見てきました。
今治市はこの「FC今治」が地域に根付き、まち全体がサッカーで盛り上がりを見せています。
選手は地域の方々から応援してもらい、そのエネルギーを元に懸命に戦い続け、
また地域の方々はその選手たちの熱いプレーを見て、日頃の活力になる。
こうした街づくりは僕が理想とする姿です。
この里山スタジアムも地域の公共交通と関わりを強く持っていて、
そうした観点からも凄く有意義な視察をさせて頂きました。
木更津市においても今後、高齢の方が増えていく中で公共交通の問題は避けては通れないですし、
そうした方々が日頃から利用しやすいものを整えていかないといけないと思います。
改めて深く考えさせられる内容の視察にもなりました。
こうした公共交通に関してもしっかりと考えていきたいと思います。
吉田 眞紀人