行政視察(交通政策特別委員会)

[秋田県大館市]

*人口:66,218人 (木更津市:136,645人)
*R6年度一般会計予算:363億570万円 (木更津市:520億200万円)
*財政力指数:0,42 (木更津市:0,85  共にR4年度)

今回は交通政策特別委員会として、公共交通についての行政視察に行ってきました。
大館市も高齢化が急速に進んでいて、地域の”足”は大きな課題の一つになっているとのこと。
大館市が取り入れている、
・自動運転EVバス
・mobi
・コミュニティバス(地域巡回ワゴン車)
について視察をしてきました。

事業導入の経緯
・自動運転EVバス →職員の発案から導入に至ったとのこと。
コンサルと将来の交通網を検討していた中で国からの補助率が10/10という情報を入手し、実証運行に辿り着いた

・mobi →市長からのトップダウン。
バリアフリーの観点から地域交通を検討していく中で、市長からmobiの紹介がありスタートした

・コミュニティバス →職員及びバス事業者からの提案。
幹線バスの輸送量が減り国庫補助対象外が懸念されていたため、補助の維持と利便性向上を目的に実施した

自動運転

自動運転に関しては全て国からの補助金ではあるものの、
地図や車両のリース費用が高額で運行準備も含めて20日間で、

73,604,869円ということで驚いた。
まだこれは実証運行ということだけど、雨や雪が障害物と判断されてしまうなどの課題もあったとのこと。
自動運転体験参加者からは、

・将来のまちを支える交通手段として期待したい。
・安全性への信頼がとても向上した。
・地域の足だけでなく、観光客の足になると可能性が広がる
との前向きな声があった一方で、

・揺れが気になる
・手動モードが長かった
・まだ雨雪に弱い
との声があった。

とはいえ時代とともに色々なことがIT化されていく中で、
運転手不足の問題も含めて近い将来、自動運転が当たり前になる日は近いと感じました。

mobi
まず大館市が抱える課題について、
・人口減少
・少子高齢化による高齢化率の上昇

・外出時のマイカー仕様が必需、高齢者の免許返納の遅れ
・公共交通空白地帯が点在
このような課題があり、mobiプロジェクトによって、
・高齢者等の積極的な外出を促進するような暮らしも実現
・移動格差の解消
・地域経済の活性化
以上の課題解決に向け、共生社会の実現を推進を目指していく

このmobiについては市の負担額も26,408,607円と負担も大きいが、
採算が合わなくても廃止には向かっていないとのことでした。
しかし、現在は300円という料金設定になっているけど、
今後料金改定も視野に入れつつ、広告料で収入増加に力を入れていくとのこと。

コミュニティバス
現在のバス路線は国や県、市の補助金で支えられているが、
「田代地域」を運行している幹線バスの一部が利用者の減少により、
国の補助対象から外されることが懸念されていることから、足を確保するために路線の再編を行ったとのこと。
それに加え、車両を小型ワゴン車にすることでこれまでにバス車両が運行できなかった地域もカバーしている。

まとめ
今回は自動運転・mobi・コミュニティバスの3点について伺いましたが、
やはりどの自治体も自分たちの地域に合った公共交通を積極的に取り入れようとしていました。
人口減少が進み、コンパクトシティを掲げる地域が増えている中で市民の”足”についてより考えさせられました。
個人的にはmobiの機動力は凄く魅力的に感じたし、木更津市もぜひ取り入れて欲しい。
ただ全国的にもタクシー会社からの反発が多いと耳にすることもあるし、
基本的にはアプリで使用することになるため、高齢者の方々には少しハードルが高いようにも感じました。
2日目には実際にmobiを利用し、「ハチ公ドーム」も視察してきました。
建築された当時、木造建築の中で世界一だったというこのドームの存在感は別格でした。
スポーツを愛する者としては羨ましいと思った反面、維持管理費が高額ということ、、、
ともあれ凄く充実した視察をさせていただきました。

 

吉田 まきと

 

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